アダプターおよびディスパッチャー情報の指定

CICS がイベント・バインディングによって生成されたイベントを出力する方法を制御する情報をイベント・バインディングで指定します。

このタスクについて
ディスパッチャー情報を使用して、当該バインディングで作成されたイベントに対する処理を定義します。 イベントを出力する EP アダプターを選択してから、EP アダプターに関するオプションを選択します。
  1. CICS® イベント・バインディング・エディター で「アダプター」タブをクリックします。 アダプター・ペインでは、当該イベント・バインディングで使用する EP アダプターのタイプ、EP アダプターのパラメーター、および拡張情報を指定します。
  2. アダプター」リストから EP アダプター・タイプを選択します。 指定可能な EP アダプター・タイプは下記の 4 つです。
    TS キュー
    イベントを、指定された CICS TS キューに出力します。 この EP アダプターを使用して、正しいイベントが正しいデータでキャプチャーされていることを検証することができます。 この EP アダプターを使用して、TS キューから読み取る任意のコンシューマーにイベントを出力できます。
    トランザクション開始
    イベントを、指定された CICS トランザクションに出力します。 トランザクションは、コンテナー・ベースのイベント形式で渡されたデータです。 トランザクションを実行する CICS システムを指定できます。 イベント・データが必要でない場合には、既存のトランザクションが使用できます。
    カスタム (ユーザー作成)
    必要な形式でイベントを出力します。 カスタム EP アダプターは、CICS 提供の EP アダプターでサポートされていないイベントの形式設定とルーティングの組み合わせを指定するためにユーザーが記述する、CICS プログラムです。 これは、イベントのコンシュームなど、その他の処理を実行してはいけません。
    WMQ キュー
    WebSphere Business Event がコンシュームする場合は XML 形式、WebSphere Business Monitor の場合は Common Base Event (CBE) 形式、または 2 進形式で、WebSphere MQ キューにイベントを出力します。
  3. 選択した EP アダプター・タイプのオプションを指定します。各 EP アダプター・タイプのオプションを以下に説明します。
    TS キュー EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
    • CICS キュー名を指定します。キュー名は必ず指定する必要があります。
    • ターゲット・キューがリモートである場合には、システム ID を指定します。
    • 必要に応じて、「補助一時ストレージの使用」を選択します。
    トランザクション開始 EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
    • トランザクション ID を指定します。これは、イベントの結果として実行される CICS アプリケーションのトランザクション ID です。 トランザクション ID は必ず指定する必要があります。
    • トランザクション・ユーザー ID を指定します。トランザクション開始 EP アダプターによって開始されるトランザクションは、このユーザー ID で実行されます。
    カスタム (ユーザー作成) EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
    • トランザクション ID を指定します。このトランザクション ID は、イベントの形式を設定して、そのイベントをルーティングして出力する、ユーザー作成 CICS アプリケーション用です。 トランザクション ID は必ず指定する必要があります。
    • カスタム EP アダプターに渡すデータを記述します。このデータは、カスタム EP アダプターが処理します。
    WMQ キュー EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
    • キュー名を指定します。これは、当該イベント・バインディングで出力されたイベントが配置される、WebSphere® MQ キューの名前です。キュー名は必ず指定する必要があります。
    • メッセージを永続的なものにするかどうかを指定します。「永続」リストから以下のいずれかの値を選択します。
      いいえ
      アダプターによってキューに書き込まれるメッセージは非永続になります。
      はい
      アダプターによってキューに書き込まれるメッセージは永続になります。
      キューのデフォルト
      キューに書き込まれるメッセージは、指定されたキューのデフォルトの永続性を継承します。
    • メッセージ優先順位を指定します。「キューのデフォルト」を選択するか、「優先順位」フィールドに WebSphere MQ メッセージ優先順位の値 (0 から 9) を入力します。
    • 有効期限時刻を指定します。「有効期限なし」を選択するか、「有効期限時刻」フィールドに WebSphere MQ メッセージの有効期限の値を入力します。 この期間は 10 秒単位で表します。 メッセージは、この期間が経過する前に宛先キューから除去されなかった場合に破棄されます。
    • イベントのデータ形式を指定します。「データ形式」リストから以下のいずれかの値を選択します。
      CFE (CICS Flattened Event) 形式
      イベント・データは 2 進形式です。
      WebSphere Business Event XML 形式
      メッセージは、WebSphere Business Event で必要な XML 形式でキューに書き込まれます。
      WebSphere Monitor 用 CBE (Common Base Event) 形式
      メッセージは、WebSphere Business Monitor で必要な CBE イベント形式でキューに書き込まれます。
  4. オプション: 当該イベント・バインディングの 1 つ以上のイベント仕様をエクスポートできます。
    • WMQ キュー・アダプターと CBE (Common Base Event) 形式を使用する場合は、エクスポートされたファイルは XML スキーマ定義 (.xsd) ファイルになります。
    • WMQ キュー・アダプターと WebSphere Business Events (XML) 形式を使用する場合は、エクスポートされたファイルは XML スキーマ定義 (.xsd) ファイルになります。
    • 選択したアダプターとデータ形式がイベントをシステムに 2 進形式で出力する場合には、エクスポートされたファイルは COBOL コピーブック (.cpy) ファイルになります。 TS キュー・アダプター、および CFE (CICS Flattened Event) 形式を使用した WMQ キュー・アダプターは、イベントを 2 進形式で出力します。
    1. イベント仕様のエクスポート」をクリックします。イベント仕様のエクスポート」ウィンドウが表示されます。
    2. エクスポートするイベント仕様を選択します。
    3. 宛先ディレクトリー」フィールドに、イベント仕様をエクスポートするディレクトリーを指定します。
    4. エクスポート」をクリックします。
    選択した各イベント仕様の指定したディレクトリーに、ファイルが作成されます。

    例えば、WMQ キュー・アダプターと CBE (Common Base Event) 形式を指定して、「example1」と「example2」という名前の 2 つのイベント仕様を選択した場合には、2 つの XML スキーマ・ファイル (example1.xsdexample2.xsd) が作成されます。 このスキーマ・ファイルを WebSphere Business Monitor にインポートして、インバウンド・イベントを定義できます。

    WMQ キュー・アダプターと WebSphere Business Events (XML) 形式を指定して、「example1」というイベント仕様を選択した場合には、 XML スキーマ・ファイル (example1.xsd) が作成されます。このスキーマ・ファイルを WebSphere Business Events Design Data ツールで使用して、イベントを定義できます。

    TS キュー・アダプターを指定して、「example1」と「example2」という名前の 2 つのイベント仕様を選択した場合には、2 つの COBOL コピーブック (example1.cpyexample2.cpy) が作成されます。 このコピーブックを使用して、ユーザー作成のイベント・コンシューマー・プログラムでデータを処理できます。

    イベント仕様をエクスポートしてから、同じイベント仕様を同じディレクトリーに再度エクスポートすると、既存のファイルを上書きするか、あるいは、エクスポート操作を取り消すかを尋ねるプロンプトが CICS イベント・バインディング・エディター から出ることに注意してください。

  5. オプション: 必要な拡張ディスパッチャー・オプションを指定します。 これらのオプションは、上級者用であり、CICS システムで EP アダプターが実行される方法を制御するものです。
    1. ディスパッチング優先順位を指定します。通常」または「」優先順位を指定して、イベント・ディスパッチャーが当該イベント・バインディングに関連したイベントを処理する方法を制御できます。 高優先順位のイベントは、「イベントはトランザクション」設定に応じて、使用可能になるとすぐに出力されます。 通常優先順位のイベントは、「イベントはトランザクション」設定に応じて、使用可能になるとすぐに出力されます (ただし、すべての高優先順位のイベントが処理された後)。
    2. トランザクション ID を指定します (CICS トランザクション EP アダプターまたはカスタム EP アダプターで使用できない)。 EP アダプター・プログラムは、このトランザクション ID で実行されます。

      トランザクション ID を指定せず、ユーザー ID も指定しなければ、 EP アダプターはディスパッチャー・トランザクションの下にリンクされます。

    3. ユーザー ID を指定します。 ユーザー ID を指定すると、EP アダプター・トランザクションはそのユーザー ID で実行されます。 「コンテキスト・ユーザー ID を使用」を選択した場合には、EP アダプターは、イベントがキャプチャーされたユーザー ID で実行されます。
      ユーザー ID を指定して、トランザクション ID を指定しなければ、EP アダプターは、以下のように EP アダプター・タイプのデフォルト・トランザクションの下に実行されます。
      • WMQ キュー EP アダプターは CEPQ トランザクションの下に実行されます。
      • TS キュー EP アダプターは CEPT トランザクションの下に実行されます。
    4. システム ID を指定します (CICS トランザクション EP アダプターでのみ使用可能)。 EP アダプター・トランザクションは、このシステム ID を使用して CICS システムで実行されます。
    5. イベントがトランザクションかどうかを指定します。 CICS でこのイベント・バインディングに関連したイベントをトランザクションとして処理する場合には、「イベントはトランザクション」チェック・ボックスを選択します。 作業単位が正常に完了すると、同期ポイントの最後で、作業単位で生成されたイベントは、同期ポイントまで遅らせられて出力されます。 作業単位が正常に完了せず、ロールバックした場合は、作業単位で生成されたイベントは出力されません。

      CICS でこのイベント・バインディングに関連したイベントをトランザクション外で処理する場合には、「イベントはトランザクション」チェック・ボックスをクリアします。 イベントは生成されたときに出力されます。

タスクの結果
これで、イベント・バインディングのアダプターおよびディスパッチャー情報の指定が完了しました。
関連タスク
イベント・バインディング・ファイルの作成