オートノミック要求フロー・マネージャーの設定

このパネルを使用して、オートノミック要求フロー・マネージャー (ARFM) を構成します。ARFM は、メッセージをミドルウェア・サーバーでサービスできるかどうかとその時期を判別して、アプリケーションの着信メッセージを管理します。この管理アクションは、HTTP および Session Initiation Protocol (SIP) トラフィック用のオンデマンド・ルーターと、Java Message Service (JMS) および Inter-ORB Protocol (IIOP) メッセージ用のアプリケーション・サーバーで行われます。

この管理コンソール・ページを表示するには、「動作ポリシー」>「オートノミック・マネージャー」>「オートノミック要求フロー・マネージャー」とクリックします。

オートノミック要求フロー・マネージャー (ARFM) には、コントローラーとゲートウェイという 2 つのパートが含まれます。ARFM 機能はコントローラーによって、オンデマンド・ルーター (ODR) のゲートウェイの コレクションをプラスして、セルごとに実装されます。ゲートウェイは着信要求をインターセプトしてキューに入れ、一方コントローラーは、制御信号、つまり指示をゲートウェイおよび配置コントローラーに送ります。コンポーネントは一緒に動作して、着信要求を優先順位付けします。

管理のロールに応じて、オートノミック要求フロー・マネージャーを構成する場合には、特定の特権が許可されます。次のリストに、オートノミック要求フロー・マネージャーの構成のための管理のロールと特権を示します。

モニター
情報を表示できます。
オペレーター
「構成」タブで情報を表示できます。「ランタイム」タブで設定を変更できます。
コンフィギュレーター
構成は変更できますが、ランタイム設定は変更できません。
管理者
すべての特権があります。

セキュリティーを有効化する セキュリティーが使用可能の場合、適切なセキュリティー許可がないと編集できないフィールドがいくつかあります。

集約期間

ARFM ゲートウェイごとに集約された統計が定期的にブロードキャストされ、このフィールドでその期間を指定します。デフォルト値は 5 秒です。

ゲートウェイは、次の統計のレポートをサポートします。
  • WebSphere Virtual Enterprise 管理コンソールのランタイム・グラフ。
  • ARFM コントローラーの操作。
  • アプリケーション配置制御装置の操作。

集約期間を設定する場合は、その値を、十分な数のパフォーマンス・サンプルの収集に対応できる大きさに設定します。ゲートウェイでは、要求ごとにサンプルが収集されます。適切な統計的測定を行うには、数百のサンプルが必要です。例えば、サービス・クラスに関連する要求が 250 ミリ秒単ごとに実行され、平均して 10 個の要求が並行して実行されます。並行値は、クラスター・サイズと環境内のリソースに基づいて、WebSphere Virtual Enterprise によって自動的に計算されます。並行値は、管理コンソールの「ランタイム操作」の表示パネルで参照できます。

その結果として、サービス・クラスは 1 秒あたり約 40 個の要求を処理します。したがって、集約期間の値を 15 秒に設定すると、集約期間ごとに 600 個のサンプルを 収集することになります。600 個のサンプルの調査から 提供される測定基準は、信頼のおけるものとなります。

集約期間の値を小さく設定しすぎると、信頼できないパフォーマンス測定メトリックとなります。少ないサンプルから導き出したパフォーマンス・メトリックは、サンプルの多いものより信頼性が低くなります。ARFM コントローラーは、統計が新規に作成されたときに アクティブ化されるため、集約期間の値を長く設定しすぎると、制御設定の 再計算の回数が少なくなります。そのため、トラフィック量とパターンに突然の変更が あった場合、WebSphere Virtual Enterprise の反応が悪くなります。

コントロール・サイクルの最小長

ARFM コントローラーがアクティブ化される頻度を定義します。 デフォルト値は 59 秒です。

コントローラーのアクティブ化は、受信した入力の結果として、入力を評価し、新規コントロール設定を作成するプロセスです。ARFM コントローラーの アクティブ化プロセスは、新規の統計がコントローラーのゲートウェイのいずれかの統計で、 以前のアクティブ化からの経過時間がコントロール・サイクルの最小長以上であるか、 またはコントローラーが以前にアクティブ化されたことがない場合に開始されます。

平滑化ウィンドウ

ゲートウェイ統計の連結を可能にすることによって、着信ゲートウェイ統計に対する ARFM コントローラーのリアクションの感度を定義します。 デフォルト値は 12 です。

どのゲートウェイの ARFM コントローラーも、そのゲートウェイからの最後の数個の統計レポートの実行平均を使用します。平滑化ウィンドウは 結合するレポートの数を制御します。平滑化ウィンドウの設定が低いと、 コントローラーはさらに敏感になり、リアクションがさらに迅速になります。ただし、設定値が低いと、ノイズ、つまりデータの異常に対するリアクションが敏感にもなります。

平滑化ウィンドウと集約期間の積は、実際のコントロール・サイクル長とほぼ同じです。これが、構成済みのコントロール・サイクルの最小長 よりわずかに大きくなることがあります。

最大キュー長

各 ARFM キューの長さを、キューに保持される可能性のある要求の最大数と結びつけます。

ARFM にはオンデマンド・ルーター、ノード・グループ、サービス・クラス、およびデプロイメント・ターゲットの組み合わせごとに別個のキューがあります。要求が到着したときにキューがいっぱいである場合、 その要求は拒否されます。このフィールドのパラメーター値が小さいと、 トラフィック・バーストが短期間になるために、要求が拒否される可能性が増します。一方、パラメーター値を大きくすると、要求がキューにより長く残っている場合があります。 キューに入れられた要求はメモリーを消費します。デフォルト設定は 1000 ですが、この設定をテストして、環境に最適の設定を判別してください。

メモリー過負荷防止: WebSphere Application Server ヒープ・サイズの最大使用率

各アプリケーション・サーバー用に使用されるヒープ・サイズの最大パーセンテージを指定します。このプロパティーは、HTTP および Session Initiation Protocol (SIP) メッセージに適用されます。 デフォルトは 100% です。

最大 CPU 使用率

ミドルウェア・ノードの最大 CPU 使用率を指定します。ノードの CPU 使用率がこのパーセンテージを超えると、ノードは過負荷と見なされます。デフォルトは 80% です。

拒否ポリシー

拒否ポリシーで、既存のダイアログまたはセッションの一部でない着信 HTTP または SIP メッセージを拒否することにより、CPU が過負荷になることを防止します。

  • 着信メッセージの拒否なしでは、タイムアウトになったりサービス・ポリシー目標の応答時間しきい値に違反する可能性があることには関係なく、すべてのメッセージをキューに入れることができます。 このオプションには、-1 の拒否しきい値があります。この値がデフォルトです。
  • メッセージの予測応答時間がそのサービス・ポリシー目標の応答時間しきい値を超える場合、既存のダイアログまたはセッションの一部でない着信メッセージを拒否します。 このオプションには、0% の拒否しきい値があります。
  • メッセージの予測応答時間がそのサービス・ポリシー目標の応答時間しきい値を次のパーセンテージよりも多く超える場合、既存のダイアログまたはセッションの一部でない着信メッセージを拒否します。 このオプションでは、拒否しきい値をパーセンテージで指定します。例えば、デフォルト値 400% は、サービス・ポリシー応答時間しきい値が 500 ミリ秒であるメッセージは、予測応答時間が 2.5 秒を超える場合に拒否されることを意味します。



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